NHK 特集まるごと

ウナギ高騰 でも食べたい!

2012727日(金)

ウナギ高騰 でも食べたい!   

大越「うなぎが高いとそんなぼやきの中、今日(27日)は土用の丑の日です。」

井上「うなぎになかなか手が出しにくくなっています。」

 ウナギ高騰 でも食べたい!  

価格高騰でも食べたい!

去年より2割から3割近く上がっているうなぎの価格。「ぜいたくですね、最高に。いつものうなぎとは違うみたいな感じ。」「こういう日のために働いている。」東京都内のスーパーでも、かば焼きひとパックあたりで去年より200円から300円ほど高くなっています。「高くても食べる。年に1回くらい、いいじゃないですか。」一方、高いうなぎを敬遠する人も…。「高いから買いません。」「きょうは孫が来るので焼肉にしようかな。」

 

人気が上がっているのが、遊園地の中の「うなぎ釣り」のコーナー。

客「うなぎ!蒲焼き!」

1回200円。格安で、うなぎ。

「腕が痛かったけど、頑張った。」

母親「ばっちり。」

 

稚魚の不漁が原因で続く、ウナギの価格の高騰。平成18年に1キロあたり、26万円余りだったのが、ことしはおよそ8倍の215万円に達しています。

この稚魚は来年出荷されるため、今後も高い値段が続くと見られています。

なんとかして安くておいしいうなぎを食べられないものか。それを求めて、いま。

 

うなぎ獲得作戦 活路を海外に

フィリピン、マニラ。この日、静岡県浜松市からうなぎ業者の一行が訪れていました。その目的は。フィリピン産の天然うなぎ。安くてしかも豊富に取れるうなぎを求めてやってきたのです。核心:“安くておいしい”を狙え

 ウナギ高騰 でも食べたい!  

全国有数のうなぎの産地、浜松。価格の高騰で街は大きく揺れています。贈答用の4300円の詰め合わせは3本だったうなぎが、今年2本に。人気のうなぎ料理店も閉店に追い込まれました。うなぎ料理店社長「工夫にも限界がありますので、身を切られるような思いでやめたんですよね。」こうしたなか、浜松の人たちが目をつけたのがフィリピン。うなぎの価格は安く、日本産の4分の1です。味はどうなのか。

 

うなぎ輸入業 髙柳和弘さん「味はいいですよ。食感とか(もいい)。」皮はすこし固めですが、調理の仕方を工夫すれば十分通用すると手応えを感じました。ところが、フィリピンのうなぎに目を付けていたのは、浜松の人たちだけではありませんでした。中国や韓国などの業者がやってきて、地元の漁師から稚魚を大量に輸入していたのです。

 

フィリピンの漁業者「おれたちが取ったうなぎの稚魚を中国人が買い付けに来たんだよ。値段はどんどん上がっていったよ。」彼らの狙いは何か。中国人業者が電話取材に応じました。中国の養殖業者「値段が安いフィリピン産のうなぎに目を付けて養殖を始めました。日本へ輸出する予定です。」

 

フィリピンには、すでに外国の業者が入り込み、激しい競争となっていたのです。浜松の人たちは、安くておいしいうなぎを求めて、さらなる手を打ちました。届いたのはアフリカ、マダガスカル産の養殖うなぎ。アフリカと取引のある浜松の商社が、輸入ルートを開拓しました。価格は日本産の6割ほどです。「思ったよりおいしく食べれた。」「十分使えますよ。うな重で。」日本産に味も近いというアフリカ産のうなぎ。来月以降、本格的な輸入に踏み切る予定です。

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ウナギを増やす 奮闘続く

うなぎの資源を増やそうという取り組みも進んでいます。期待されているのが「完全養殖」です。2年前。世界で初めて、完全養殖でふ化に成功したときの映像です。今では体長およそ50センチ。立派に成長しています。ウナギ量産研究グループ 田中 秀樹クループ長「もうそろそろ、かば焼きにできるくらいのサイズになっていますけど。」

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しかし大量生産には様な課題があります。その1つがエサの開発です。「サメの卵です。」これまで数多くのエサを試しましたが、食べたのは、アブラツノザメの卵をペースト状にしたものだけでした。しかし、このサメは数が少ないため、それに代わるエサの開発が求められています。ウナギ量産研究グループ 田中 秀樹クループ長「プランクトンの分解物のようなものを食べていると言われているので、それに似たような形のものが何とかできないか(研究を)やっています。」

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一方で、こんなアプローチも。うなぎの稚魚を捕獲する調査です。川を遡上する稚魚からうなぎの資源を回復させるヒントを探ろうとしています。調査をしている、九州大学の望岡典隆准教授。地元の漁師が一番仔(いちばんご)と呼ぶ、うなぎの稚魚に注目しています。九州大学 大学院農学研究院 望岡典隆准教授「上が、そうです。11月の下旬に来た1番仔。」一番仔とは、(いちばんご)漁が始まる11月頃、最初に川にあがってくる稚魚のこと。

 

稚魚の断面です。左が一番仔(いちばんご)、右がその3ヶ月後に遡上したもの。一番仔は、腹の赤い部分に脂肪を多く蓄えていて、栄養状態がよいことが研究でわかりました。望岡さんは栄養状態がよい「一番仔」は生存能力が高いとみてこれを東アジア各国で保護すれば、うなぎの数を増やすことができるのではないかと考えています。九州大学 大学院農学研究院 望岡典隆准教授「東アジア全体で保護に向かって頑張っていけば、きっと回復するというふうには希望を持っています。」

ウナギ高騰 でも食べたい!  

井上「海外にうなぎを求める動きはますます強まりそうですが、うなぎの資源をどう管理、増やしていくのか考えることも大切ですね。」

大越「水産庁は9月にも中国や台湾との間でうなぎの資源回復に向けた枠組みを構築したいとしていて、乱獲などの問題を国際的なレベルで検討しようとしています。安くておいしいうなぎをいつもまでも食べられるよう、大消費国日本が引っ張っていってほしいものです。

 

http://www.nhk.or.jp/nw9/marugoto/2012/07/0727.html

 

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