赤ちゃんザルの名は「キズ ナ」              

5月24日 19時31分

１０００匹を超える野生のニホンザルが生息する、大分市の 高崎山自然動物園で、ことし初めて生まれたサルの赤ちゃんに、震災からの復興に向け、助け合おうという意味を込めて「キズナ」と いう名前が付けられました。

大分市の高崎山自然動物園は、春からが出産のシーズンですが、こ としは例年より赤ちゃんの誕生が遅く、動物園の担当者を心配させていました。そしてようやく２２日、サルの赤ちゃんが母親に抱かれて いるのが確認されました。動物園は、毎年最初に生まれた赤ちゃんに、その年の出来事にちなんだ名前を付けていて、ことしは 東日本大震災の復興に向けて「助け合い」が必要だとして、「キズナ」と名付けました。 「キズナ」はオスで、毎日、 母親と一緒に餌場に現れ、２４日も両手で母親の体にしっかりとしがみついていました。訪れた人は「とてもかわいかったです。母 ザルにしがみつく様子に絆の深さを感じました」と話していました。動物園の木本智さんは「やっと生まれてくれてホッとしている。勇 気と感動を与えることができる元気なサルに育ってほしい」と話していました。

インド洋大津波に学ぶシンポ               

4月 5日 6時7分

東日本大震災の被災地の復興に向けて何をすべきか、インド 洋大津波の経験から考えようと、日本とインドネシアをテレビ電話で結んだシンポジウムが４日夜に開かれました。

このシンポジウムは、国際協力に携わる日本のＮＧＯや学識 経験者などが主催したもので、東京、仙台、神戸、インドネシアの首都ジャカルタをテレビ電話で結んで行われました。このう ちジャカルタからは、２００４年のインド洋大津波で最大の被害を受けたインドネシア、アチェ州の復興事業を一手に担ったクントロ元 復興庁長官 が参加し、被災後の復興の経過を説明しました。この中でクントロ元長官は、ガレキの撤去や道路の復旧工事に多くの被災者を雇用したこ とや、町や村の再建計画の策定に住民が積極的に参加したことなどを説明し、被災地の人たちが復興に主体的に関われるよう配慮し、促 すことが重要だと強調しました。シンポジウムのあとクントロ元長官は、日本で復興庁の創設が検討されていることについて、「日 本の被災地は広範囲に及び原子力発電所の問題も抱えている。既存の組織が復興事業を担うのは難しく、日本は復興庁を被災地に近い場所 に創設するべきだ」と述べました。

火山灰による交通事故に注意　　　　　　　　　　　　　　

2月8日 7時46分　　　

新燃岳のふもとの宮崎県都城市などでは、道路に積もった火 山灰が原因とみられる事故が相次ぎ、警察がドライバーに注意を呼びかけています。

警察によりますと、都城市と隣接する三股町では５日までに 道路に降り積もった火山灰にハンドルを取られたりスリップしたりする事故が１４件起き、２人が軽いけがをしました。このう ち先月２８日には都城市で乗用車が道路脇の縁石に衝突して横転しました。現場は緩やかなカーブで、運転していた女性は「火山灰のため ハンドルを戻そうとしても戻らなかった」と話しているということです。警察は火山灰が原因とみてドライバーに注意するよう呼びかけて います。また ＪＡＦ＝日本自動車連盟は、火山灰が積もった道路ではスピードを出しすぎないことや、車 間距離を十分確保すること、それに、視界が悪い場合は、日中でもライトを点灯するよう呼びかけています。さらに、火山灰をワイパーで 取り除こうとすると、こびりついてしまって逆に視界が悪くなるため、市販のスプレーなどで落としてほしいと話しています。ＪＡＦ 宮崎支部の土持章義さんは「新燃岳の活動が長期化した場合は、空気を取り入れるフィルターに灰が詰まり、エンジンに不調を 来すおそれもあるので、こまめな清掃なども必要となってくる」と話しています。

鹿児島 ツルの北帰行始まる　　

2月2日 4時53分

国の特別天然記念物のナベヅルから鳥インフルエンザウイルスが検出 された鹿児島県の出水平野で、ツルがシベリアなどに向かって飛び立つ「北帰行」が始まりました。

国内最大のツルの越冬地として知られる鹿児島県の出水平野では、今 シーズン、６羽のナベヅルから毒性の強い鳥インフルエンザウイルスが検出され、感染が広がっていないか監視が行われています。こ うしたなか、鹿児島県ツル保護会によりますと、１日、マナヅル４羽が、北に向かって飛び立ち、「北帰行」を始めたということです。保 護会によりますと、ことしの北帰行は、去年に比べて５日遅いものの、平年並みだということです。ツルはこのあと、順次、シ ベリアなどに向かい、北帰行は来月下旬ごろまで続きます。今シーズン、出水平野では平成１２年に次いで２番目に多い１万３０００羽の ツルの飛来が確認されましたが、例年、多くの観光客が訪れるツル観察センターは、鳥インフルエンザの影響で今も閉鎖された ままになっています　　　

原油流出 食い止め作業が失敗　　　　　　　　　 　　　　

5月30日 12時4分

アメリカ南部のメキシコ湾で、１か月以上にわたって海底油 田から大量の原油が流出している問題で、掘削施設を管理する石油会社は、油井に泥状の液体を流し込んで流出を食い止める作業が失敗に 終わり、別の対策を試みると発表しました。

メキシコ湾では先月、石油掘削施設が爆発し、炎上した事故 から１か月以上がたった今も、海底油田から大量の原油の流出が続いています。この問題について、掘削施設を管理する大手石油会社ＢＰ は、今月２６日から油井に泥状の液体を流し込んで、流出を食い止める作業を進めていましたが、２９日、記者会見を開き、一 連の作業が失敗に終わったと発表しました。これを受けて、ＢＰは、新たにアメリカ政府の承認を得て、原油のさらなる流出を防ぐための 別の対策を試みるとしています。具体的には、深海で作業できるロボットを使って、爆発により破損して原油が流れ出している管を切断 し、その部分にバルブを取り付けてふたをする作業を行う計画です。ただ、この方法でも、水深１５００メートルでの作業はか なりの困難が伴う ものとみられ、原油の流出がさらに長期化すれば、対応の遅れへの批判がいっそ う高まることも予想されます。