シリーズ マネー資本主義
100年に一度とも言われる金融危機が世界を席巻した――。震源地のアメリカはもちろん、EUや日本、中国やインドを含む新興国、ロシアや中東といった産 油国……世界のいたるところで、実体経済の疲弊は目を覆うばかりだ。世界各国で競い合うように大規模な公的資金投入が実施され、G20では今後に向けた対策が話し合われることになるが、資本主義システムへの不信は拭えない。
なぜ誰も止められなかったのか―。この事態を招いた原因はどこにあるのか―。
批判の的になっているのは、マネー資本主義の暴走とアメリカの金融政策である。「巨額な成功報酬は行き過ぎだった」「リスクを管理するシステムがなかっ た」「無策な低金利がバブルを招いた」……。金融当局の責任者や金融機関経営者への追及が、米議会の公聴会や司直の場において続いている。
しかし、このたびの事態をもたらした本質がどこにあり、世界が教訓とすべきポイントはどこにまでさかのぼるべきなのか、その論調は定まっていないのが実態だ。このシリーズは、「マネー資本主義」の正体に徹底的に迫ろうとするものである。
マネー資本主義は、どのように発生し、成長したのか―。
なぜ、世界経済はドルを基軸とするアメリカ依存になったのか―。
市場を過信する思想はいかにして生まれ、誰がスタンダードとしたのか―。
マネー資本主義が駆け抜けた現場を丹念に訪ね、それが20世紀の後半から世紀の変わり目を生き物のように肥大化していったプロセスを、当事者の証言と新資料によって明らかにしていく。そして金融危機に陥っていった誤謬の実態を解明し、未来に向けた教訓は何かを探っていく。
ASIAN VOICES
BS1 月1回日曜 午後11:10~11:55
番組詳細
世界の半分以上の人が暮らし、急速な経済発展を続けるアジア。21世紀に入り、アジアの存在感は年々高まっています。アジアで、今、何が起きているのか?そして、そうしたできごとをアジアの人々はどのように見ているのか?
この番組は、アジア各国の知識人やジャーナリストと東京のスタジオを結び、アジアの”HOT ISSUE”について話し合い、多様な文化、社会、政治が存在するアジアの“声”を世界に伝えます。
司会 : 道傳愛子(NHK解説委員)
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