“世界一”技術 スパコン発売へ

11月7日 16時4分   

世界一の処理速度を誇る次世代のスパコン・スーパーコンピューターの「京」の技術を利用した新たなスパコンが販売されることになり、新技術の開発や先端医療など幅広い分野での利用が期待されます。

これは、ことし6月世界一の処理速度を実現したスーパーコンピューターの「京」の開発に携わった大手電機メーカーが、「京」の技術を生かして業務用に製作したスパコンです。このスパコンの特徴は、コンピューターの頭脳にあたる「京」の装置を改良し、1.8倍の計算能力を持たせており、このスパコンを1000台余りつなぐと、理論上は、この会社の従来のスパコンよりおよそ200倍、「京」と比べても2倍の速度で計算ができるということです。これを活用しますと、例えば、飛行機や自動車などで新製品を開発する際の空気抵抗を調べたり、事故が起きた場合の詳細なシミュレーションができたりするようになるほか、医療分野では、レントゲン写真などを基に患者の心臓の鼓動する様子をコンピューターグラフィックスで正確に再現し、治療に役立てるといったことが、今より速く高い精度でできるようになるとしています。1台当たりの値段は5000万円からを想定しており、既に内外の研究機関や企業と商談があるということです。会見した「富士通」の佐相秀幸副社長は、「世界最高レベルのスパコンと言えると思う。社会から集められる大量のデータを蓄積、分析して、社会に役立てられると考えている」と述べました。スーパーコンピューターは、通常のパソコンに比べ、桁違いに速い計算速度を持ち、数年かかるような計算を1日や数か月という短期間でできることから、工業製品の製造現場や、新薬の開発、気象予報など、幅広い分野で欠かせない、基盤技術となっています。その国の産業競争力とも密接に関わることから、世界的にもしれつな開発競争が続いていて、その競争の指標となるのが、毎年6月と11月に発表される計算速度の世界ランキングです。理化学研究所によりますと、日本のスパコンは、18年前の1993年11月の時点では、1位を含め、上位500位の中に107台がランクインし、アメリカに次ぐ世界2位のシェアでした。しかし、その後、ヨーロッパやロシア、中国などの躍進が目立つようになり、上位500位に占める日本のスパコンのシェアは徐々に減少します。計算速度では、9年前の2002年に日本の「地球シミュレータ」が世界一を奪還しますが、シェアの減少傾向には歯止めはかからず、事業仕分けで次世代スパコンの開発が厳しい批判を受けた2年前の2009年11月の時点で、ランクインした日本のスパコンは16台、世界6位にまで後退していました。ことし6月、7年ぶりに日本の「京」が計算速度世界一に返り咲きましたが、50位以内に入っているのは僅か4台で、総合力では、アメリカやヨーロッパに水をあけられた状態が続いています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111107/k10013789121000.html

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