反捕鯨団体逮捕せず 豪首相謝意
1月10日 17時41分
オーストラリアの沖合で、反捕鯨団体のメンバー3人が、日本の調査捕鯨に同行していた水産庁の船に無断で乗り込んだ問題で、日本政府が3人を逮捕しないと決めたことについて、オーストラリアのギラード首相は日本政府への謝意を示すとともに、3人の行動を非難しました。
反捕鯨団体、シー・シェパードの関連団体のメンバー3人は、9日、オーストラリア南西部の沖合で、調査捕鯨に同行している水産庁の監視船「第二昭南丸」に無断で乗り込みました。日本政府は、この3人に任意で事情を聞いた結果、乗組員にけがをさせたり、船体に損傷を与えたりする妨害活動はなかったなどとして、逮捕はせずに、オーストラリア政府に引き渡すことを決めました。これについて、オーストラリアのギラード首相は10日、「日本政府の協力に感謝する」というコメントを発表しました。そのうえで、3人の行動は危険で「容認できない」と非難したうえで、今後、同じような行為があった場合は、罪に問われる可能性があると警告しました。3人の引き渡しを受けるため、オーストラリア政府が派遣した船が向かっているということです。この一方で、ギラード首相は「捕鯨をやめさせるには法的な手段が最適だ」と述べ、オーストラリア政府としては、日本を提訴している国際司法裁判所などの場で、調査捕鯨の廃止を求めていく立場を強調しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120110/k10015167001000.html